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決算速報(現地10/29引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):3,151.04ドル(-1.87%)
●売上高:961.5億ドル(予想927.1億ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:12.37ドル(予想7.55ドル)〇市場予想を上回った
●「AWS」純売上高:116.0億ドル(予想115.2億ドル)〇市場予想を上回った
●10-12月期売上高見通し:1,120億〜1,210億ドル(予想1,125億ドル)〇中央値が市場予想を上回った
●10-12月期営業利益見通し:10億〜45億ドル(予想59.5億ドル)×市場予想を下回った
10-12月期の営業利益見通しが市場予想を下回り、新型コロナ関連のコストが引き続き大きくなるとの見通しなどが嫌気され株価は売りに押されました。
決算発表直前までの、過去半年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地10/29までの過去半年間、移動平均線は200日)
決算のポイント
●売上高とEPSが市場予想をともに上回りました。
●10-12月期に新型コロナ関連の安全対策コストなどが約40億ドル計上される見通しとしています。
●AWSの増収率は前年同期比で+29%となりました。
●従業員数が100万人を超えたとしています。
●ホールフーズ・マーケットを含む実店舗の売上高は前年同期比で-10%となっています。
経営陣の主なコメント
●ホリデーシーズン向けのギフトを早めに購入している顧客が多く、このことは年末商戦シーズンが非常に良好な状況になることを示唆している。
●10-12月期は天候不順による配送遅延や大統領選挙の結果など、多くの不透明要因がある。
●プライム会員の継続率は上昇している。
●顧客のクラウドへの移行は加速している。
●グローサリー(生鮮食品、日用品など)は順調。
●「プライムデー」のセールが10月にずれ込んだことで、(プライムデーは多くの「セール」を行うことから)10-12月期の利益が圧迫される。
●新型コロナの感染拡大を受け出張を制限したことで、10億ドル近くコストを削減できた。
決算を受けたマーケットの反応
7-9月期の売上高やEPSは市場予想を上回ったものの、10-12月期に引き続き新型コロナ関連で大きなコストを計上する見込みであることなどが嫌気され、株価は売りに押されました。
もっとも、見通しの重しとなっていることが新型コロナ関連のコストや「プライムデー」セールの開催時期の後ずれによるものだとすれば、それらの要因は一時期的なものであるとも言え、それほど懸念する必要はないのかもしれません。10-12月期の売上高見通しは非常に良好となっていますので、売りが一巡した後にはそうした売上高の伸びにマーケット関係者の関心が移る可能性もあります。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:3734.07ドル(10/29時点)