決算速報(現地7/29寄り前発表)
●決算発表当日の株価:166.01ドル(-2.83%)
●売上高:118.1億ドル(予想129.9億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:-4.79ドル(予想-2.39ドル)×市場予想よりも悪い結果
売上高や調整後EPSが市場予想を下回ったほか、既存の航空機の生産削減や新型機の納入遅延などが発表されたことを受け、株価は売りに押されました。
決算発表当日を含む、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地7月29日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●「787ドリームライナー」の生産をさらに縮小し、2021年には月間6機となる見込みとしています。
●「777X」の初回納入は2021年ではなく2022年になるとしています。
●「777」と「777X」を合わせた両機体の生産は段階的に縮小され、2021年には月間2機となる見込みとしています。
●「737」の生産は2022年初旬までに月間31機に段階的に拡大される見込みとしています。
●「ジャンボジェット」の呼び名で知られる「747」の生産を2022年で終了するとしています。
●4-6月期のフリーキャッシュフローは-56.3億ドルとなり、市場予想の-65.7億ドルより良好な結果となりました。
経営陣の主なコメント
●新型コロナの感染「第2波」が見通しを悪化させている。
●事業の「立て直し」は遅れる。
●顧客は航空機の納入を遅らせるように要望してきている。
●長期的な見通しについてはとても自信をもっている。
●流動性に問題はない。
●2021年後半に航空機の需要が回復すると「期待」している。
●「737MAX」の納入を10-12月期に再開できると予想している。
●3年以内に旅客需要が2019年の水準に戻ると予想している。
●2021年にキャッシュフローがプラスになる道筋はみえている。
●生産が縮小されたとしても、「737MAX」の利益率は高い。
●長期的に「737MAX」の生産が月間10機以上となる道筋はみえている。
●年内に19,000人の人員削減を行う。
決算を受けたマーケットの反応
引き続き新型コロナの影響を大きく受け、生産ペースが縮小される見込みであることが示され、株価は売りに押されました。
経営陣からは引き続きすべては新型コロナ次第といったコメントが相次ぎ、生産ペースの縮小や人員削減が発表されたことが嫌気され、マーケット関係者の間では慎重な見方が優勢となったようです。経営陣から2021年にはキャッシュフローなどが改善する見込みであるとのコメントがありましたが、実際に新型コロナの影響が薄れ業績が改善するまで、株価は上値の重い展開が続くかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:186.96ドル(7/29時点)