shantihesse - stock.adobe.com
決算速報(現地7/14寄り前発表)
●決算発表当日の株価:26.11ドル(-2.65%)
●調整後売上高:11.8億ドル(予想14.3億ドル)×市場予想よりも悪い結果
●調整後EPS:-4.43ドル(予想-4.22ドル)×市場予想よりも悪い結果
調整後EPSが市場予想よりも悪い結果となったほか、当初8月には1,000便ほど運航を再開する予定だったところが500便未満の再開とされたことなどが嫌気され、株価は売りに押されました。
決算発表当日を含む、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地7月14日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●4-6月期は調整後売上高は、新型コロナの影響を受け前年比-91%と凄まじい減収となりました。
●調整後純損益は28.1億ドルの損失となりました。
●8月に運航を再開する便数を当初予定の1,000便から500便未満へと引き下げました。
●少なくとも17,000人が早期退職などのパッケージに応募したとしています。
●上記パッケージにはパイロットの応募は含まれず、パイロットはさらにもう1週間程度検討する時間が与えられているとのことです。
●7-9月期の売上高は前年同期比の20%〜25%程度になるとしています。
経営陣の主なコメント
●年末には資金燃焼をゼロにし、来年の春には黒字転換できると予想している。
●「向こう数年間」は会社の規模を縮小する必要がある。
●持続的な回復には2年以上の時間がかかるだろう。
●今後の見通しについて悲観しているわけではない、回復ペースが「荒れ模様」になるということだ。
決算を受けたマーケットの反応
調整後EPSが市場予想よりも悪かったことや、今後の見通しについてやや慎重な見方が示されたことから、株価は売りに押されました。
経営陣が「年末には資金燃焼がゼロになる」と発言したことについても、一部アナリストから「運航の再開が進まなければ厳しいかもしれない」との指摘がでるなど、マーケットは今後の回復についてやや懐疑的になっているようです。4-6月期の売上高が前年比で約9割減少し、今後の運航再開ペースも遅くなる見通しとなるなか、新型コロナの感染再拡大が続いていることを考えると、しばらく上値の重い展開が続くかもしれません。
しかしながら、現地14日引け後にモデルナ(MRNA)が開発している新型コロナワクチンについて被験者全員が抗体を獲得したと報じられると、新型コロナの抑え込みへの期待からデルタ エアーラインズの株価も引け後の時間外取引で5%を超える急騰となっています。もしも早期にワクチンが開発され広く普及した場合はマーケットのセンチメントが一転して強気となり、デルタ エアーラインズの株価も急反発するかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:36.22ドル(7/14時点)