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2024-03-30 00:40:51

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アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜予想PERは17倍台前半まで低下、買いやすくなった米国株〜

2020/3/2
投資情報部 榮 聡

先週は新型コロナウイルスによる「パンデミック」(世界的な疫病の大流行)が懸念されて市場心理が急激に悪化、売りが売りを呼ぶ展開となって主要3指数とも10%を超える下落でした。今週も新型コロナウイルスの状況を見守るほか、米大統領選挙の予備選挙が集中するスーパーチューズデーと米中の経済指標も注目されます。

株価の移動平均乖離率が市場平均よりも大きく、かつ、最近のEPS修正率、業績予想が良好なものから、マイクロソフト(MSFT)アマゾン ドットコム(AMZN)アドビ(ADBE)ネットフリックス(NFLX)エヌビディア(NVDA)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表1 S&P500指数のローソク足(日足、6ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 1週 1ヵ月 3ヵ月
通信サービス -9.5% -6.3% -3.1%
生活必需品 -10.4% -8.2% -6.4%
ヘルスケア -10.6% -6.8% -5.9%
情報技術 -11.1% -7.4% 1.8%
一般消費財・サービス -11.2% -7.7% -4.0%
S&P500 -11.5% -8.4% -5.1%
公益事業 -11.8% -10.3% -0.6%
資本財・サービス -12.2% -9.6% -8.7%
不動産 -12.3% -6.5% -2.8%
素材 -12.7% -8.7% -11.0%
金融 -13.5% -11.3% -11.1%
エネルギー -15.4% -15.3% -20.4%
騰落率上位(1週) 騰落率
ギリアド・サイエンシズ -0.5%
ネットフリックス -2.9%
アラガン -4.7%
3M -4.9%
ファイザー -6.4%
騰落率下位(1週) 騰落率
オキシデンタル・ペトロリアム -22.3%
シュルンベルジェ -18.9%
アメリカン・エキスプレス -18.5%
デュポン・ド・ヌムール -18.2%
CVSヘルス -17.2%

注:騰落率は2/24(月)終値によります。個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で11.5%の大幅な下落となり、昨年10月以来の上昇分を5営業日で打ち消すという異様な値動きとなりました。新型コロナウイルスの感染が中国以外にも広がって「パンデミック」(世界的な疫病の大流行)につながるとの懸念が高まり、さらに米国でも市中感染が始まっている可能性が示されて打撃となりました。

一方、2/28(金)午後にはパウエルFRB議長が声明を発表、「米経済は引き続き底堅いものの、新型コロナウイルスの感染拡大が経済へのリスクになっており、景気の下支えに向けFRBとして適切に対応する」と表明して相場の下支えになったとみられます。

業種指数騰落率では、先々週まで相対的に強かった配当利回りが高い業種、ディフェンシブな業種も大きく売り込まれて全面安となっています。

個別では、世界保健機関(WHO)の高官によって新型コロナウイルスの治療薬として抗ウイルス治験薬「レムデシビル」が有望とコメントされたギリアド サイエンス(GILD)が2週連続でトップとなっています。同社はエイズやC型肝炎の治療薬など抗ウイルス薬を主力とするバイオ企業で、新型コロナウイルスの治療薬として中国で臨床試験が進められています。

経済指標では、2/29(土)に発表された中国の2月製造業PMIは前月の50.0から35.7へ、非製造業PMIは前月の54.1から29.6へ急落しています。新型コロナウイルスを抑え込むための各種の措置が、中国全土の幅広い産業に打撃となっていることが確認されました。

一方、米国の10-12月期実質GDPの改定値は前期比年率2.1%増で市場予想に一致、米国の1月耐久財受注は前月比0.2%減ながら市場予想の同1.5%減を大きく上回りました。

今週の米国株式市場

今週も新型コロナウイルスの感染拡大の行方を注視するほか、3/3(火)のスーパーチューズデー(米大統領選挙の予備選の集中日)の結果、米国の2月企業景況感、2月雇用統計、中国の1・2月貿易統計などが注目されます。

新型コロナウイルスの感染は、2/26(水)から中国外での新規感染者数が中国のそれを上回って推移していることで「パンデミック」となる可能性が懸念されています(図表3)。韓国、イタリア、イランでの新規感染者数が急増しており、これら国での感染者数の行方を注視する必要がありそうです。

3/3(火)のスーパーチューズデーでは、週末のサウスカロライナ州予備選で勝利したバイデン氏が勢いを取り戻すことができるのか、または、全米レベルの支持率調査でトップを走るサンダース氏がリードを広げるのかがポイントとなりそうです。左派のサンダース氏が掲げる政策は株式市場にネガティブに作用するものが多く、株価急落の一要因となっている可能性もあるため注目です。

経済指標では、3/2(月)に米国の2月ISM製造業景気指数(前月の50.9から50.5に悪化の予想)、3/4(水)に米国の2月ISM非製造業景気指数(前月と同じ55.5の予想)、3/6(金)に米国の2月雇用統計(非農業部門雇用者数は前月比19.0万人増の予想)、3/7(土)に中国の1・2月貿易統計(現時点でコンセンサス予想が出ていません)、などの発表が予定されています。

企業決算では、ターゲット、ロスストアーズ、ノードストローム、コールズ、ダラーツリー、コストコホールセールなど小売企業の発表が予定されています。

今回の株価急落をどう考えるか

今回このような株価の動きとなった基本的な理由は、昨年10月からの株価上昇が、すべてPERによる上昇だったことにあると考えられます。

「株価=予想EPS×予想PER」で、株価の動きはEPSの変動とPERの変動に分解できますが、今回はEPSが一貫して下方修正されていたため、株価上昇分の100%以上がPERによるものでした(図表4)。

EPSは経済指標で言えばハードデータに近く、株価指数のEPSは多数の企業の合算で経済トレンドに沿って動くため急変することは少ないと考えられます。しかし、PERは経済指標で言えばソフトデータに近く、市場参加者の心理に大きな影響を受けるため、一瞬で変わってしまうことがあります。

製造業の底入れ期待、米中交渉進展、FRBによる資産拡大がPERを押し上げてきましたが、新型コロナウイルスに対する懸念で市場の期待や楽観が一気に吹き飛んでしまったと言えるでしょう。

ただ、この株価調整によって19倍台にあった予想PERは17倍台前半まで低下して買いやすくなったことも確かです。予想EPSは、今後下方修正されると見込まれます。

しかし、中国で抑え込みができそうなデータが出てきていますので、中国外の新規感染者のピークが2、3週間遅れるとしても、中国同様に抑え込むことができるだろうというのが普通の考え方ではないでしょうか。

新型コロナウイルスによる経済・企業業績への影響は確かに大きなものになる可能性がありますが、それは永続的な影響を及ぼすものでなく、1四半期ないし2四半期で抜ける、一時的なショックと考えられます。

株価は将来のキャッシュ・フローの流列を現在価値に割り引いたもの(「ディスカウント・キャッシュ・フロー」と呼ばれます)を基礎に決まります。一時的なショックとすれば、株式は買い場を迎えていると考えられるのではないでしょうか。

今週の5銘柄

米国市場は大幅な調整となったため、優良な成長銘柄を買うチャンスになっていると考えられそうです。そこで今回は2/27(木)の株価データを用いて、S&P100指数採用企業について、以下の条件でスクリーニングを行いました。

【スクリーニング条件】
(1)100日、200日移動平均乖離率がともにプラス・・・株価が市場平均よりも強いトレンドが維持されている。
(2)過去3ヵ月の予想EPSの修正率がプラス・・・直近の業績動向が良好である。
(3)今期業績が増収・増益予想・・・業績の見通しが良好である。

この条件を満たす銘柄から、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン ドットコム(AMZN)、アドビ(ADBE)、ネットフリックス(NFLX)、エヌビディア(NVDA)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表3 新型コロナウィルス、中国と中国外の感染者数推移

注:「中国外」は、ダイヤモンド・プリンセスの事例を除いた数字です。
※世界保健機関(WHO)のデータをもとにSBI証券が作成

図表4 S&P500指数の予想EPS(20年)と予想PER

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

買付 チャート 銘柄 株価
(2/28)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートマイクロソフト(MSFT)162.01ドル28.6

【クラウドのインフラサービスでアマゾンを急追】

・クラウドのインフラを提供する企業としてはアマゾンに次ぐ2位の位置にあり、急速に追い上げています。メールソフトの「Outlook」、ビジネスソフトの「Office」などで企業のIT部門に接点があるため、クラウドの新規開拓営業に有利と考えられます。また、19年10月に米国防総省の100億ドル規模の案件をアマゾンと競ってマイクロソフトが獲得したことも、同社のクラウドが加速するきっかけになるのではと注目されています。

・10-12月期決算は前年同期比14%増収、同37%増益と引き続き好調でした。インテリジェント・クラウド部門が27%増収と成長をけん引、その中心である企業向けクラウドの「Azure」は前年同期比62%増と、7-9月期の同59%増を上回る伸びを記録しています。2/26(水)には、モア・パーソナル・コンピューティング部門の売上ガイダンスが、ノートPCの「サーフェス」とOEM向けウィンドウズOSの落ち込みにより未達になると発表しています。ただ、サプライチェーン分断の影響を受けるもので、一時的と考えてよいでしょう。

買付チャートアマゾン ドットコム(AMZN)1883.75ドル46.2

【年末商戦の好調で北米の利益が予想を上回る】

・配送日数を短縮するための費用がかさんで利益を圧迫していますが、顧客囲い込みを進めるための先行投資と捉えられ、中期的な利益成長を高める施策と考えられます。一方、クラウドサービスは業界トップとして引き続き高い成長が期待されます。また、独占禁止法の調査に係るリスクも、フェイスブックやアルファベットに比べて小さいと考えられます。

・10-12月期決算は好調な年末商戦を受けて売上が前年同期比21%増、EPSも同7%増と7-9月期の減益から増益に転じて市場予想も大幅に上回りました。部門別の営業利益は、北米が19億ドル(市場予想は15億ドル)、海外が6億ドルの赤字(同9億ドルの赤字)、AWSが26億ドル(同25億ドル)でした。19年中は利益が伸び悩んだため株価は出遅れましたが、北米の通販事業の改善を受けて出遅れを縮める動きが想定できるでしょう。

買付チャートアドビ(ADBE)345.12ドル35.2

【ネット利用の促進から恩恵も】

・「Photoshop」「Illustrator」「PDF」などWEBページ作成に関わる様々なソフトウェアやサービス、「Adobe Analytics」「Adobe Audience Manager」などマーケティング・分析関連のソフトウェアなどを展開している大手企業です。スマホの普及でインターネットが生活の隅々に入り込む中、デジタル化を進める企業やデジタルコンテンツを投稿する個人からの同社ソフトウェア群に対する需要が伸びて高成長を遂げています。

・19年9-11月期は、売上が前年同期比21%増、EPSが同27%増で、いずれも市場予想を上回って好調でした。3/12(木)に発表予定の19年12月-20年2月期は、売上が前年同期比17%増、EPSは約2.23ドルのガイダンスです。20年11月期は売上が前期比18%増、約9.75ドルのEPSを目標としています。新型コロナウイルスはインターネットの利用を一段と進める方向に作用しており、同社には恩恵となる部分があるでしょう。

買付チャートネットフリックス(NFLX)369.03ドル56.0

【巣ごもり消費で恩恵も】

・インターネットTVの世界最大手で加入者数は1.6億人に達します。「Disney+」「アップルTV」などの新規参入が懸念されて株価が調整していましたが、昨年9月以降は戻り歩調となっています。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に「巣ごもり消費」が活発化する可能性があり、同社のビジネスにはプラスとなる部分がありそうです。

・19年10-12月期決算では、新規加入者数が競争激化で米国では市場予想を下回ったものの、米国外では市場予想を上回りました。1-3月期は新規加入者数が7百万人、売上が前年同期比27%増、EPSが同2.2倍に伸びると見込まれています。インターネットTV市場での競合は激化しているものの、従来型の「リニアTV」からのシフトによって長期的に成長すると期待されています。

買付チャートエヌビディア(NVDA)270.07ドル35.1

【データセンター向けが用途と顧客の広がりで好調】

・データセンター向けのGPUが好調で、業績の拡大をけん引しています。人工知能の用途が従来の画像認識から自然言語への対応へ広がっていることが背景にあり、マイクロソフトやアマゾンなどクラウドサービスの大手に加え、ペイパル、ピンタレスト、スナップ、ツイッターなど消費者向けネット企業にも販売が広がっているとしています。20年に売上拡大が期待されていた自動車の自動運転分野は立ち上がりが遅れていますが、これをカバーする材料が出てきたと言えそうです。

・2/13(木)に発表の19年11月-20年1月期売上は、前年同期が仮想通貨のマイニング向け需要の落ち込みの影響を受けていたため前年同期比41%増、19年8-10月期比との比較では3%増でした。分野別にはデータセンター向け売上が9.7億ドルと前四半期比33%増と2四半期連続で高い伸びを示しました。2-4月期の売上ガイダンス中央値は、市場予想の28.6億ドルに対して30億ドルと上回って好感されました。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。マイクロソフトは20年6月期、アドビは20年11月期、エヌビディアは21年1月期、その他は20年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
3月
2(月)
・米ISM製造業景気指数(2月)  
3(火) ・スーパー・チューズデー
(米大統領選挙の予備選挙・党員集会集中日)
・ユーロ圏生産者物価指数(1月)
・ユーロ圏失業率(1月)
・米自動車販売台数(2月)
ターゲット、ロスストアーズ、ノードストローム、コールズ
4(水) ・ユーロ圏小売売上高(1月)
・米ADP雇用統計(2月)
・米ISM非製造業景気指数(2月)
・米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ダラーツリー
5(木) ・OPEC臨時総会(ウィーン)
・米製造業受注(1月)
オクタ、コストコホールセール
6(金) ・OPECプラス会合(ウィーン)
・米雇用統計(2月)
・米貿易統計(1月)
 
7(土) ・中国貿易統計(2月)  
8(日) ・米国の夏時間が開始  
9(月) ・日本実質GDP(10-12月期、確報値)  
10(火) ・中国資金調達総額(2月、15日までに発表)
・中国生産者物価指数・消費者物価指数(2月)
・日本工作機械受注(2月)
・ユーロ圏実質GDP(10-12月期、確報値)
・米NFIB中小企業楽観指数(2月)
 
11(水) ・米消費者物価指数(2月)  
12(木) ・ECB主要政策金利
・ユーロ圏鉱工業生産(1月)
・米生産者物価指数(2月)
・米家計純資産変化(10-12月期)
アドビ、ブロードコム、ダラーゼネラル、アルタビューティ
13(金) ・米輸入物価指数(2月)
・ミシガン大学消費者マインド(3月、速報値)
・スタートアップの祭典「サウス・バイ・サウスウエスト」(米オースティン、22日まで)

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1〜30位、青字のハイライトは31〜50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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