Игорь Головнёв - stock.adobe.com
決算速報(現地1/30寄り前発表)
●決算発表当日の終値:48.00ドル(-4.21%)
●税抜きベースの売上高:48.0億ドル(予想48.9億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:1.02ドル(予想1.02ドル)△市場予想通り
電子たばこを手がけるジュール・ラブズへの投資に関連しさらなる評価損を計上し、提携についても見直しを行ったことや、今後の長期的な業績見通しを引き下げたことで株価は売りに押されました。
決算発表当日を含む、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地1月30日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●米国などで電子たばこへの規制強化の動きが広がる中で、投資を行っているジュール・ラブズの株式評価額について再度見直しを行い、10-12月期に追加で41億ドルの評価損を計上しました。
●ジュール・ラブズとの提携も見直しし、今後はマーケティング活動では支援を行わないとし、FDA(米食品医薬品局)への対応のみ支援を行うなどとしています。
●2020/12期の調整後EPSは4.39〜4.51ドルになる見通しとし、中央値は市場予想の4.44ドルを上回りました。
●ジュール・ラブズへの投資が当面利益を生まないとの判断から、2020年から2022年にかけての調整後EPSについて、年平均成長率見通しを従来の5〜8%から4〜7%へと引き下げました。
●米国内のたばこ出荷本数は-8.7%となり、前年同期の-4.4%から悪化し、市場予想の-5.7%を下回りました。
経営陣の主なコメント
●アルトリアの中核的たばこ事業は「素晴らしい業績」を示した。
●ジュール・ラブズにとって現在問題となっている肺疾患は想定外だった。
●今後3年間ジュール・ラブズへの投資からリターンは得られないと考えており、この投資は失望的なものとなっている。
決算を受けたマーケットの反応
アルトリアによるジュール・ラブズへの投資が失望的な結果となっていることをマーケットは引き続き嫌気しているようです。
従来の紙たばこの販売が低迷するなかでの電子たばこへの投資でしたが、その結果がこうした状況になっていることは引き続き株価の重しとなり、今後も上値の重い展開が続くかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:54.59ドル(1/30時点)