対円ポンド相場がにわかに動意づいています。10月後半に1ポンド=142円台の安値をつけたあと、ポンドは上昇に転じ、本稿執筆の11月6日午前11:30現在は148円に迫ろうかという水準を推移しています。
背景にあるのは、期限まで5ヶ月を切った英国の欧州連合(EU)からの離脱、いわゆるブレグジットに向けた条件の合意がいまだ不透明であることが挙げられます。英国の首都・ロンドンはニューヨークと並ぶ世界金融の中心地で国内の金融機関も多く同地に店舗を構えていますし、製造業でも同国に進出している企業は多数あります。日本から遠く離れた地域の外交問題ではありますが、その行方が日本、ひいては世界経済に影響を与える可能性もあり、注意をしておいたほうが良さそうです。
そこで、本レポートでは改めてブレグジットを取り巻く論点を整理するとともに、ブレグジットを巡る今後のスケジュールと今後の展開について検討してみました。eワラントには英ポンド対円相場を対象としたコール型・プット型の取扱いがあります。ブレグジット問題の混迷が深まる中、まずは少額から英ポンドにレバレッジ投資をしてみたいとお考えであれば、是非この機会にeワラントの活用をご検討下さい。
ここまでの経緯と残る課題 |
2016年6月に行われた国民投票の結果を受けて、英国はEUからの離脱を決定しました。この決定を受けて、国民投票後に就任したメイ首相は2017年3月にEUへ通告、通告から2年後の2019年の3月29日に正式に離脱を迎えることとなりました。
通告を受けて、英国とEUは離脱に向けた交渉を開始しました。まず、2017年12月までに、@在英EU市民・在EU英国民の権利水準は離脱前同等に維持すること、A北アイルランド・アイルランド間の国境にハードボーダー(物理的な壁)を設けない方針、B英国はEUに清算金を支払うこと、に関して合意しました。
次いで、両者は第二段階の交渉として、C離脱後の移行期間、D英国とEUの将来関係の枠組み、E北アイルランド・アイルランド国境に関する具体策導入が間に合わない場合の「バックストップ(予防策)」などの議論を開始しました。
このうちC移行期間については、2018年3月に、離脱後2020年12月31日まで(21ヶ月)とすることで合意しました。この間、英国は単一市場・関税同盟にとどまりつつ、独自に第三国との自由貿易協定(FTA)交渉は開始できることになります。また、この間は引き続きEUへの拠出金支払い義務を負う一方で、EUの意思決定に参加することはできません。
残る課題はD英国とEUの将来関係の枠組み、特に移行期間終了後の通商関係、及びE北アイルランド・アイルランド国境のバックストップです。
Eに関しては、英国のうち北アイルランドのみをアイルランド同様EUと同じ通関規則を適用する共通規制区域とすることで関税同盟・単一市場にとどめ、ハードボーダーの設置を回避することをEU側が提案しましたが、英国はこれを「レッドライン(越えられない一線)」として拒否しています。歴史的経緯から北アイルランドでは英国からの独立やアイルランドとの併合を求める声も多く、英国本土と異なる制度下におかれることで、国家の分断につながる可能性があるためです。一方、英国側は移行期間の延長を提案していますが、期限内に解決できない場合の策がなく、EU側が反対をしています。
ただ、この点については近く動きがあるかもしれません。11月4日付の英国紙は、英政府関係者や複数のEU高官の話として、離脱後も英国全体がEUの関税同盟にとどまる英国側提案をEUが容認したこと、離脱後の通商関係でもEUとカナダの自由貿易協定をモデルにした「経済パートナーシップ」で合意に近づいていることを報じました。報道を受けて、前述の通り英ポンドは大きく上昇しています。これまでも「合意間近」を論じるメディアが多数ありましたので、今回の報道に関しても信頼度は正確に測れませんが、今後もさらに注意深くニュースを見ていく必要があるでしょう。
今後想定されるシナリオとeワラントの活用 |
今後のターニングポイントとなりうるイベントとしては12月13〜14日に開催される欧州理事会が挙げられます。離脱期限(2019年3月29日)と離脱協定に関わる英国議会及び欧州議会での審議の時間を考慮すると、12月の理事会が実質的に離脱交渉のデッドラインとなる可能性があります。ここで離脱協定に合意することができなければ、英国は合意なき離脱(ハードブレグジット)の道をたどる可能性が高いでしょう。
EUと合意できたとしても、英国議会での審議を経なければ離脱協定を批准することはできません。メイ首相率いる与党保守党は英下院で単独では過半数の議席を占めておらず、加えて与党内にも政府案に反対する強硬離脱派が多数存在しています。仮にEUと離脱協定に合意することができた場合、メイ首相は保守党内部の強硬離脱派の説得、または野党労働党の切り崩しを図る必要があります。これができなければ、やはりハードブレグジットとなるでしょう。離脱の合意には大きなハードルがありそうです。
離脱に合意した場合も、決裂した場合も英ポンド相場は大きく動く可能性があります。英ポンド相場に投資する方法としては為替証拠金取引(FX)がありますが、証拠金取引の場合、相場急変時には強制的にロスカットが発生したり、追証が発生して投資元本以上の損失が発生する可能性があります。
一方、同じく英ポンド対円相場にレバレッジ投資ができるeワラントの場合、強制的にポジションが清算されることもないですし、投資元本を超える損失が発生することもありません。最大損失は投資元本までに限定されています。eワラントは相場が大きく変動するときに大きな値動きが期待できますので、荒れ相場にこそ追証のないeワラント活用のチャンスと言えるでしょう。
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
株式市場ではアップルが新型iPhoneの増産中止観測で電子部品が安いけど、観測報道による過剰な反応の可能性もあると見ているよ。電子部品の中でもTDKは業績が好調な銘柄の1つで、前年比で増収増益、通期見通しも上方修正をしているよ。短期的な株価の反発を狙ってコールで投資をしてみたいところだね。
株価の反発で大きな値上がりを狙って、満期まで短い銘柄を選んだよ。
1週間程度の短期勝負だよ。
5円を目標価格として指値を入れておくよ。
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- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
プットくんが選ぶ〜注目銘柄
最近は米国債の入札が低調に終わるケースがあるようだね。トランプ大統領の大減税に伴う公的債務の拡大が意識されているのかもしれないね。債券市場では債券の供給過多は金利上昇につながるけど、金利の上昇は株式市場にとってはマイナス要因だよ。この傾向が続くなら米国株はしばらく下落が続くかもしれないね。
年内いっぱい米国株式市場が緩やかに下落することを想定して選んだよ。
12月中には手仕舞いを検討したいところだね。
7円台での売却を目標としているよ。
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