3/28(火)に政府の「働き方改革実現会議」は、10回目の会議を開催し、「働き方改革実行計画(案)」をまとめました。今後は、この案に沿って法制化の議論を行い、秋の臨時国会に法案が提出され、2019年度から実施される予定となっています。「働き方改革」が国策となるわけです。相場格言では「国策に売りなし」と言われていますので、今回の「福の神レポート」では、「働き方改革」で恩恵を受けそうな銘柄をご紹介いたします。
図1:日本の「人口ピラミッド」
- ※国立社会保障・人口問題研究所が公表している図をもとにSBI証券が作成
図1は、日本の人口ピラミッドです。女性の妊娠率は、25〜30代前半で25〜20%、30代後半で20%弱、40代では5%程度と言われているようです。人口ピラミッドでわかるように、日本では団塊の世代、団塊ジュニアの2つの大きなピークがあります。団塊ジュニアがほぼ出生率ゼロの年齢に接近しているのです。今後、更なる少子・高齢化が進むことになります。しかも、2017年あたりから団塊の世代後の年齢別人口が減少したボトムから増加するため、60歳を定年とする企業も多く、定年退職者は増加することになります。しかし、団塊ジュニア以降の世代はほぼなだらかに人口が減少しているため、新入社員の人数も減少しそうです。定年退職者が増加し、新入社員が減少するため、企業で働く労働者は大きく減少することになります。
しかも、「働き方改革」では、時間外労働に罰則付きの上限規制が導入され、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する「勤務時間インターバル制度」も努力義務となります。労働する人数が減少し、一人当たりの労働時間も減少することなるので、生産性が同じであれば、成果も減少することになります。しかし、企業は成長を求めて成果を増加させることを求めるため、生産性の向上が最も必要となるわけです。
今後は、同じ人数・労働時間で、より多くの成果を得る、生産性の向上が最も必要なこととなりそうです。
企業側の「働き方改革」への対応策は、下記のような施策が考えられそうです。
・外国人材の受け入れ
・労働者のモチベーションUP
・他社への業務のアウトソーシング
・業務効率化(IT化)
・機械化
・テレワークの普及
上記のような企業の対応策実施によって、売上高・収益の増加が期待出来る銘柄が、「働き方改革」で恩恵を受けそうな銘柄になりそうです。
表1は業務内容等を参考に藤本が考えた「働き方改革」で恩恵を受けそうな銘柄です。
※SBI証券が作成。「『働き方改革』で恩恵を受けそうな銘柄」についてはあくまでも想定される例であり、必ずしも業績拡大や株価上昇につながるとは限りません。また、関連銘柄は他にも数多くありそうです。
表1:「働き方改革」で恩恵を受けそうな銘柄(例)
コード | 銘柄名 | 業種 | 働き方改革ポイント | 株価 | 時価 総額 (億円) |
予想 PER (倍) |
---|---|---|---|---|---|---|
2170 | リンク&モチベーション | 経営コンサルティング | モチベーションUP | 667 | 777 | 37.7 |
2412 | ベネフィット・ワン | 福利厚生業務運営代行 | 福利厚生のアウトソーシング | 3,445 | 1,557 | 44.5 |
2462 | ライク | 人材サービス会社 | 外国人介護人材派遣 | 2,935 | 2,785 | 26.7 |
3969 | エイトレッド | ワークフローソフト専業会社 | 稟議書の電子化 | 3,760 | 82 | 43.5 |
6050 | イー・ガーディアン | 投稿監視サービス | 投稿監視のアウトソーシング | 1,812 | 185 | 39.1 |
6436 | アマノ | 就業時間管理システム | 時間管理機器 | 2,275 | 1,736 | 19.8 |
6538 | キャリアインデックス | 転職ポータルサイト運営 | 中途採用強化 | 1674 | 89 | 28.9 |
6588 | 東芝テック | POSなどの流通端末 | セルフレジシステム | 639 | 1,827 | 29.7 |
7732 | トプコン | 測量やGPS関連のITシステム | 建設の生産性向上 | 2,004 | 2,249 | 51.5 |
- ※SBI証券が作成。「働き方改革」で恩恵を受けそうな銘柄」についてはあくまでも想定される例であり、必ずしも業績拡大や株価上昇につながるとは限りません。また、関連銘柄は他にも数多くありそうです。
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