日本取引所グループと日本経済新聞社が開発した新指数「JPX日経インデックス400」は、2014年の株式相場の大きなテーマとなりそうです。何故なら、2013年11月20日に政府が公的・準公的資金の運用・リスク管理の高度化を議論する有識者会議を開き、債券中心の運用からリスク資産への投資の検討が提言され、「JPX日経インデックス400」株価指数の利用・検討が盛り込まれた最終報告書が、甘利経済再生担当相に提出されたからです。

これにより、世界最大級の約120兆円の資産規模を持つ日本のGPIF（年金積立金管理運用独立行政法人）が株式構成比率を上げる可能性が高く、その際に「JPX日経インデックス400」を利用することになりそうです。コレは、投資の「ものさし」が大きく変わるということです。今回新指標に採用された400銘柄については、株式市場のけん引役となるような企業とのお墨付きを得たようなものです。

今回の福の神レポートでは、｢JPX日経インデックス400｣の概要とポイントを簡単に解説し、実際に400銘柄の中から、購入すべき銘柄を選ぶうえでヒントとなる、様々なランキングをご紹介いたします。

また最後には、福の神式の選定基準で選んだ「中小型割安・時価総額順」ランキングをご紹介いたします。

相場は、「半歩先読み」が重要です！
来年開始の新指数の配信前に、じっくり銘柄を選択してみましょう！！

JPX日経インデックス400とは、日本取引所グループと日本経済新聞社が共同で開発し算出する指数です。東証上場（1部・2部・マザーズ・ジャスダック）の銘柄の中から、400銘柄を選定し、時価総額加重平均（上限組入れ比率1.5％）で計算されます。2013年8月30日を基準（10,000ポイント）として、2014年1月6日から算出されます。銘柄の入れ替えは、毎年8月末に行われます。

表1：指数の主な選定基準

定性的評価に関しては、定量的評価だけのランキングと最大差異で10銘柄程度しかずれない加点規模なので、実際には大きな影響はなさそうです。
チェックポイントとしては、「3年間」という期間です。上場後3年経っていない銘柄は、いかにポイントが高くても元々対象外です。例えば、サントリー食品インターナショナル（2587）、大塚ホールディングス（4578）などは、上場後3年未満なので、構成銘柄に入っていません。逆に言えば、3年経てば、構成銘柄として入る可能性が高いと考えられます。

また、3年間の営業利益が大きなポイントになるので、3年以内に、大きな赤字決算を行った企業は、どんな大きな会社でも構成銘柄としては、選出されにくいということです。

今回構成銘柄から外れた時価総額TOP3は、
（6752）パナソニック
（7974）任天堂
（8601）大和証券グループ本社

コレも逆に考えれば、大きな赤字決算を行って3年経てば構成銘柄として入る可能性が高いということでしょう。

表2：低位株ランキング

〜福の神流ポイント解説〜

• 通常、低位株は大きな値上がりの可能性があるものの破綻などの心配があるが、JPX日経400の構成銘柄なのでその心配が非常に低いと思います。
• 銀行が5銘柄、商社が2銘柄と業種的には偏りがあります。
• 低位株なので、少額から購入できるのは大きな魅力。

• ※SBI証券投資調査部にて作成。株価は、2013/12/2終値を基準に表示。

表3：低PERランキング

〜福の神流ポイント解説〜

• PERがすべて7倍以下と、収益面から見ると大きな割安感があります。
• 商社が5銘柄、銀行2銘柄と業種的には偏りがあります。
• 高収益をもう少し株主に還元するような動きがあれば、低PERの是正によって、株価上昇が期待出来そうです。

• ※SBI証券投資調査部にて作成。株価・予想PER（連）は、2013/12/2終値を基準に表示。

表4：低PBRランキング

〜福の神流ポイント解説〜

• PBRがすべて0.55倍以下と、純資産のほぼ半額以下の割安株です。
• 地方銀行5銘柄と業種的には偏りがあります。
• 基本的には人気薄銘柄ですが、下値不安が小さいとも考えられ、中・長期の投資では期待出来そうです。

• ※SBI証券投資調査部にて作成。株価・実績PBR（連）は、2013/12/2終値を基準に表示。

表5：高配当ランキング

〜福の神流ポイント解説〜

• 配当利回り3.5％以上と、低金利下での日本では非常に魅力的な配当水準です。
• 誰もが知っている大型株が多いのが特徴です。
• 配当に関しても非課税になるNISA口座での買いつけが有利になりそうです。

• ※SBI証券投資調査部にて作成。
  予想配当は、東洋経済新報社の予想データを使用。株価・配当利回りは、2013/12/2終値を基準に表示。

表6：高ROEランキング

〜福の神流ポイント解説〜

• ネット関連銘柄が数多いです。
• 高い収益率を理由に株価が大きく上げた（その後、調整したものを含む）銘柄が多いようです。
• 今後も現在の高収益を継続するかが注目点です。少しでも成長力に陰りがあると、買われていただけに反動安が考えられます。

• ※SBI証券投資調査部にて作成。ROEは、今期実績基準を採用。株価・実績ROEは、2013/12/2終値を基準に表示。

5つの切り口で様々なランキングをご紹介しましたが、最後に、福の神式のランキングを作成してみました。

表7：時価総額上昇率ランキング

• ※SBI証券投資調査部にて作成。株価・時価総額は、2013/12/2終値を基準に表示。

表8：中小型株ランキング

• ※SBI証券投資調査部にて作成。JPX日経インデックス400j構成銘柄のうち、時価総額の低い順に表示。
  予想配当は、東洋経済新報社の予想データを使用。株価・予想PER（連）・実績PBR（連）・時価総額は、2013/12/2終値を基準に表示。

12月2日終値基準で、東証1部全銘柄のそれぞれの指標の平均値（日本経済新聞　2013年12月3日　朝刊掲載）

・予想PER　16.59倍
・実績PBR　1.41倍
・予想配当利回り　1.58％

より割安な銘柄は、400銘柄中81銘柄ありました。
意外な中小型株がJPX日経インデックス400に採用されていることが判ります。

「人の行く　裏に道あり　花の山　いずれを行くも散らぬ間に行け」

来年スタートの新指数ですが、早めのチェックが肝心です。
この400銘柄のお宝候補銘柄の中から、来年大活躍しそうな銘柄を、探し出してください！

銘柄選定の根拠（基準や前提）

全銘柄
JPX日経インデックス400　構成銘柄

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。