間もなく師走（12月）相場に突入です。毎年見る光景ではありますが、大きなオフィスビルにはクリスマスツリーが飾られ、夜にはイルミネーションが点灯していて綺麗です。「平成」最後の年末年始だと思うと、少し感慨深いものがあります。

世界的に株式相場は、景気の先行きに対する警戒感から冴えない動きとなっています。これまで米国株を牽引してきた「GAFA」と呼ばれるIT大手4社（頭文字順にグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン）の株価も大きく調整しています。来年の米国、中国の経済成長見通しは、緩やかに鈍化が避けられないと思われますが、景気後退にまでは至らないのではないかと考えています。だとすれば、世界景気に対する市場の減速懸念は「行き過ぎ」で、先行きの不透明感が払拭されるような材料が出れば、急速に買戻しが入るのではないでしょうか。

今週の「新興株ウィークリー」では、今年の師走相場に対応すべく、12月決算銘柄に焦点を当てて、株主優待と好業績が期待できそうな銘柄をピックアップしてみることにしました。100株単位での株主優待の権利を受けることができる銘柄に絞り込んだので、最低投資単位も比較的少額で済み、ボーナスでの投資も可能な銘柄と考えられます。12月に株主優待の権利が確定する銘柄の権利付最終日は原則、12/25（火）のクリスマスです。皆さまの投資のご参考になり、クリスマスプレゼントになれば幸いです。

• ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

• ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は11/20（火）終値と11/27（火）終値の比較による。時価総額は10月末基準。

東証マザーズ指数は、10/30（火）に一時821.32ポイントの安値まで下落しましたが、値ごろ感からの買戻しや、米中貿易摩擦の緩和観測、米国中間選挙やFOMCなどの重要イベントを無事通過したことなどから株価は反発に転じ、11/9（金）には1,006.66ポイントと安値からは22.6％の大幅な上昇となり、日経平均の上昇率を上回りました。メルカリ（4385）、MTG（7806）などのマザーズ市場の主力株が値を戻したほか、再生細胞薬の臨床実験進展のニュースで急騰したサンバイオ（4592）などの上昇が全体を牽引しました。

ただし、11月中旬以降は、米国のハイテク株を中心に業績懸念から株価は下落し、マザーズ指数も950ポイント前後でもみ合いとなっています。先週のマザーズ指数は、2.6％の上昇と反発し、日経平均株価の上昇率1.7％を上回りました。個別銘柄ではMTG（7806）、サンバイオ（4592）など先週上昇した時価総額の大きい銘柄が続伸したのが指数の上昇に寄与しています。

日経平均株価の予想PERは11/21（水）に一時12.13倍と「アベノミクス相場」での最低水準を記録し、さらに同予想配当利回りは過去6年間での最高水準に到達しました。これらから、足元の日経平均株価については、底打ち感が強まっているものと考えられます。新興市場も今後リバウンド局面を想定したポートフォリオを構築したほうが良いのではないでしょうか。

なお、12月には表4に見るように、ソフトバンク（9434）を筆頭に、現在までのところ20社の新規上場が予定されており、ラッシュ状態です。将来の成長株を見極めたいところです。

※東証マザーズ指数について：東証マザーズ市場は近い将来東証1部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均型の指数です。ただし、一部の時価総額の大きい銘柄である、メルカリ（4385）やミクシィ（2121）などの影響度が大きい点に注意を要します。ちなみに10月末のマザーズ市場の時価総額に占めるメルカリのシェアは8.0％、ミクシィのシェアは同5.4％となっています。

冒頭でご説明したように、今回の「新興株ウィークリー」では、12月決算銘柄に焦点を当てて、100株からでも株主優待の権利を取れる銘柄で、なおかつ業績の裏づけのありそうな銘柄をピックアップしてみました。優待銘柄の権利付最終日は今年の場合、12/25（火）のクリスマスの会社がほとんどですが、株主優待銘柄は権利付最終日の1ヵ月前程度から値上がりするケースが散見されますので、今のうちに「先取り」して保有するのがお勧めかもしれません。また、株主優待と同時に現金配当を実施している企業の場合、配当金の権利も同時に付与されるメリットがあります。スクリーニング条件は以下の4点です。

（1）東証マザーズまたはJASDAQの上場銘柄で12月決算銘柄であること
（2）最低売買単位が100株で、なおかつ株主優待の権利が取れること
（3）3Q（1月〜9月）決算までの経常利益が、通期の会社予想経常利益の75％を上回っていること
（4）今期の会社予想経常利益が赤字ではないこと

上記の全条件を満たした銘柄を、今期予想経常増益率の高い順に並べたものが表3の10銘柄となります。それではこのうち、数銘柄について簡単に事業内容、ポイントをご紹介したいと思います。

木徳神糧（2700）は、2001年7月にJASDAQA市場に上場しています。明治時代に米穀問屋として創業された歴史のある会社です。米穀卸売り分野ではトップクラスの規模を持っています。米以外にも飼料や鶏卵、食品なども手がけています。アジアを中心に海外での販路開拓にも注力しています。米穀市況の好調で業績は好調です。

日本マクドナルドホールディングス（2702）は、2001年7月にJASDAQ市場に上場しています。日本最大のハンバーガーチェーンです。限定商品の投入や顧客参加型販促活動、「夜マック」など新サービスの開始などで、客数、客単価とも増勢基調です。既存店売上高の前年同月比は1〜3月期が9.6％増、4〜6月期が8.9%増、7〜9月期が4.7％増と好調です。個人投資家にとっては、株主優待でも人気が高い銘柄です。

GMOペパボ（3633）は、2008年にJASDAQ市場に上場しています。GMOインターネット（9449）の子会社で、個人向けのレンタルサーバーのサービスが主な事業内容です。個人のネット店舗の立ち上げや販売支援事業が成長しています。今期はEC支援事業が好調な上に、既存事業も単価上昇で収益が好調です。3Q決算時に上方修正を行っていますが、依然会社予想は保守的に思われます。

ジャパンインベストメントアドバイザー（7172）は、2014年に東証マザーズに上場した航空機のオペレーティング・リースを主力とする会社です。低金利環境と節税効果が高い商品特性を背景に業績が急拡大している会社です。今期はオペレーテイングリース事業が高額物件の伸長により高い成長を示しています。

• ※SBI証券株主優待検索ページおよび各社WEBサイトをもとにSBI証券。「最低獲得株数での株主優待内容の概要」は、株主優待内容のすべてをご説明したものではありません。企業により、12月の株主優待内容が6月と異なる場合もあります。また、企業によっては株式の保有期間によって優待の内容が変化することがあります、ここに記載の優待内容は原則として保有期間1年未満のケースです。株主優待の詳細は、SBI証券株主優待検索ページおよび各社WEBサイトでご確認ください。また優待内容は今後変更される場合があります。

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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