残暑お見舞い申し上げます。お盆の時期とあって、都心は電車がすいているうえ、道路も渋滞がなく非常にスムースです。弊社が入居しているビルのエレベーターも、いつもに比べ半分ぐらいしか人が乗っていないように感じます。ただし年末年始もそうなのですが、昼食や、アフターファイブの飲み会は、閉まっている店舗が多く営業している店を探すのに苦労します。

お盆の時期とはいえ、8月の第2週から3週にかけては3月決算銘柄の第1四半期および12月決算銘柄の第2四半期決算の発表が相次いでいます。そこで今週の「新興株ウィークリー」では、これまでに決算を発表した新興市場の銘柄の中で好業績が目立ったもの、今後の上方修正が期待できそうな銘柄を探してみることにしました。

トルコリラを筆頭に新興国の通貨が下落するなど、世界的にリスクオフの流れが見られ、相対的にバリュエーションの高い日本の新興株市場においても逆風となっています。時価総額の大きい銘柄の不振もあり、東証マザーズ指数は8/13（月）に1,000ポイント割れまで下落しました。ただし、決算発表で好業績を発表した企業の株価は堅調です。皆さまの投資アイディアのご参考になればと思います。

• ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

• ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は8/7（火）終値と8/14（火）終値の比較による。時価総額は7月末基準。

それでは早速スクリーニングにより、銘柄を抽出してみたいと思います。今回の条件は下記の8項目です。

（1）東証マザーズおよびJASDAQの上場銘柄であること
（2）3月決算銘柄であること
（3）会社側の年度予想（19年3月期）の営業利益が増益であること
（4）18年3月期実績および19年3月期の会社予想の営業利益が黒字であること
（5）第1四半期決算（4〜6月期）の営業利益が前年同期比で増益で、会社側の年度予想の営業増益率を上回っていること
（6）会社予想の年度営業利益に対する第1四半期の利益の進捗率が30％（標準は25％）を上回っていること
（7）過去1ヵ月株価が15％以上上昇していないこと
（8）1Q決算を8/14（火）までに発表していること

上記の全条件を満たす全ての銘柄を（6）の進捗率が高い順に並べたのが表3の14銘柄となります。

条件の（5）と（6）により、第1四半期決算が好調で会社予想よりも進捗がよさそうな銘柄をピックアップしました。また、（7）の条件を入れることで、今回の1Q決算での好業績が大きく株価に織り込まれた銘柄を除外してみました。

表3の14銘柄の中から、今後第2四半期決算の発表前後に上方修正を行う企業が出てくる可能性があるのではないでしょうか。

• ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。株価騰落率は7/13（金）と8/14（火）の比較。

それでは、表3の銘柄群の中から何銘柄か簡単にポイントをご紹介したいと思います。

医学生物学研究所（4557）は、日本で初めての抗体メーカーとして設立されました。現在は臨床検査薬・研究用試薬のメーカーです。主力の自己免疫疾患検査薬、がん関連検査試薬の好調に加え、中国子会社の成長が最近の業績を牽引しています。

データセクション（3905）は、ビッグデータの処理や解析を得意とする会社で、特にSNSやソーシャルメディアに強みを持っています。インバウンドの支援や、越境マーケティング支援などの需要が好調です。積極経営に転換している点も評価されます。

アイサンテクノロジー（4667）は、測量や土木ソフトの開発を主体とする会社です。高精度の3次元地図データの処理などに定評があり、自動運転関連銘柄としても注目されます。

テセック（6337）は、精密測定技術が得意で、半導体製品のハンドラ（選別装置）や通個別半導体用のテスター（測定装置）では世界でもトップクラスです。最近は車載向けデバイス向け装置が好調です。

ヨンキュウ（9955）は、鮮魚の養殖業者向けの稚魚や飼料販売と自社による鮮魚の販売が2本柱です。今後はマグロや鰻などの養殖事業が注目されます。

ラクス（3923）は、クラウドとIT分野の人材派遣が主体の会社です。クラウドサービスの交通費精算システム「楽楽精算」に続く「楽楽明細」を育成中です。

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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