皆さん、こんにちは。

移動平均線大循環分析でくりっく株365の銘柄を見てみると、米中貿易摩擦の影響を受けてそれぞれステージに変化が出てきました。日経225とNYダウの帯が上昇帯から下降帯に移行して、第4ステージとなってきました。上昇帯から下降帯への移行とは、中期移動平均線と長期移動平均線の関係が入れ替わることで起きます。上昇帯のときは中期移動平均線が長期移動平均線の上にあり、下降帯に移行するとその関係が逆転します。また、第4ステージに移行した直ぐの時に下降トレンドが継続せずに価格が上昇してくれば、ステージの逆行が起きて第4ステージから第3ステージに戻ります。暫く第4ステージが続いた場合は、次のステージは第5ステージとなります。ここからのステージの動きに注目すると同時にそのステージが変化した背景を振り返ってみましょう。

米国は2,000億ドル分の輸入品に上乗せしている関税を、10％から25%へ引き上げましたが、これに対して中国政府は、対中制裁関税拡大への報復措置を6月1日に発動すると発表しました。約600億ドル（約6兆6,000億円）相当の米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げる予定です。米政府も現在対象から外れている3,000億ドル相当の中国製品に関税を上乗せする詳細を発表しており、米中貿易摩擦の激化により世界経済に悪影響が及ぶことへの懸念が台頭してきました。

注目されていた自動車の輸入制限措置の判断留保を、米政府は延長すると正式発表しました。また、米国がカナダとメキシコ産の鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税を撤廃するとの報道も出ました。これらの材料は株式市場の好材料となりますが、トランプ米大統領が前日、実質中国製品を狙い撃ちした外国企業製通信機器の使用を禁じる大統領令に署名しました。これに対して、中国商務省は対抗措置で応じると警告をしており、両国間の緊張の高まりが懸念されています。

暗礁に乗り上げている米中貿易協議について、ムニューシン米財務長官は議会証言で、近い将来に北京に行く見通しであることを発言しており、協議再開に意欲を示したことは投資家心理の改善につながりました。また、5月のミシガン大消費者景況感指数が15年ぶりの高水準となったことも評価できる内容でしたが、市場関係者の間では、これまでの米中貿易摩擦に対する投資家の見方は楽観的過ぎたようで、関税の応酬を目の当たりにして、ようやく影響の大きさを織り込み始めたようです。ここからは、中国の輸入品への全面課税がなされるのか、それとも、最終的には回避されるのかが最大の焦点となりそうです。

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5月22日（水）08：50（日本）4月貿易統計
5月22日（水）08：50（日本）3月機械受注
5月22日（水）17：30（英国）4月消費者物価指数
5月22日（水）17：30（英国）4月小売物価指数
5月22日（水）20：00（米国）MBA住宅ローン申請指数
5月23日（木）03：00（米国）米連邦公開市場委員会（FOMC）議事要旨
5月23日（木）15：00（独国）1-3月期GDP
5月23日（木）17：00（ユーロ圏）5月製造業購買担当者景気指数
5月23日（木）17：00（ユーロ圏）5月サービス部門購買担当者景気指数
5月23日（木）17：00（独国）5月IFO企業景況感指数
5月23日（木）17：30（英国）4月小売売上高
5月23日（木）21：30（米国）新規失業保険申請件数
5月23日（木）21：30（米国）失業保険継続受給者数
5月23日（木）22：45（米国）5月製造業購買担当者景気指数
5月23日（木）22：45（米国）5月サービス部門購買担当者景気指数
5月23日（木）22：45（米国）5月総合購買担当者景気指数
5月23日（木）23：00（米国）4月新築住宅販売件数
5月24日（金）08：30（日本）4月全国消費者物価指数
5月24日（金）21：30（米国）4月耐久財受注
5月27日（月）14：00（日本）3月景気先行指数、3月景気一致指数
5月28日（火）18：00（ユーロ圏）5月経済信頼感
5月28日（火）18：00（ユーロ圏）5月消費者信頼感
5月28日（火）22：00（米国）3月ケース・シラー米住宅価格指数
5月28日（火）23：00（米国）5月消費者信頼感指数（コンファレンス・ボード）

※今週はドイツのGDPの結果やFOMC議事録に注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

第4ステージ
第4ステージは下降期です。

短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに勢いが出る場合は、帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
そこに注目していきましょう。

高値22,525円　安値20,250円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

第4ステージ
第4ステージは下降期です。

短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに勢いが出る場合は、帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
そこに注目していきましょう。

高値26,680ドル　安値25,129ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。

今週は、タートルズの増し玉とナンピンについて見ていきましょう。

ここまで、増し玉について、2通りの方法を紹介してきました。それは、タートルズ方式の増し玉とナンピンです。タートルズ方式の増し玉は価格の上昇過程で買いポジションを増やしていく手法です。ナンピンはそれとは逆に、下降の過程で買いポジションを増やします。

どちらの戦略が有利かを見てみましょう。

例えばATRが200円で買い値が1,000円だとします。タートルズの手法では、1/2ATR上昇するたびに新たに1ユニットを買いエントリーしポジションを増やします。このケースでは100円の上昇で1ユニットずつ、最大4ユニット建玉します。

【ケース1、タートルズの追加】
1、1,000円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション1ユニット
2、1,100円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション2ユニット
3、1,200円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション3ユニット
4、1,300円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション4ユニット

これに対してナンピンは買い下がります。タートルズのルールにナンピンはありませんから買い下がりの間隔には決まりはありません。ここでは仮に、同じく100円ずつ買いポジションを増やし、ポジションの制限も同じく最大4ユニットとします。

【ケース2、ナンピンの追加】
1、1,000円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション1ユニット
2、900円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション2ユニット
3、800円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション3ユニット
4、700円で1ユニット買いエントリー。合計ポジション4ユニット

ケース1では、4ユニット建玉時の平均買い値は1,150円[＝（1,000円＋1,100円＋1,200円＋1,300円）÷4]となっています。一方、ケース2の平均買い値は850円[＝（1,000円＋900円＋800円＋700円）÷4]です。

平均買い値は850円と1,150円ですから300円の差があります。

こうして比べると、平均買い値が安いケース2のナンピン買いの方が有利だと考えるトレーダーが少なからず出てきます。そして、その勘違いは「安く買って高く売る」「上がれば下がる、下がれば上がる」と同じなのです。

ではなぜその勘違いが起きるのかを来週も見ていきましょう。

3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ（優位性）が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。

3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。（下図参照）
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。

ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ（優位性）があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。

移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯（おび）」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。

帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。

• ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA（指数平滑移動平均線）を利用しています。

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