皆さん、こんにちは。
マーケットは北朝鮮やシリアをめぐる地政学的リスクの高まりと企業決算の動向などが交錯する展開となっていました。また、フランスの大統領選挙の第1回投票前の世論調査の結果に右往左往する展開となっていました。
ボストン連銀のローゼングレン総裁は、講演会で米連邦準備制度理事会(FRB)による保有資産縮小は「比較的早期に開始できる」と述べ、資産縮小によって「利上げペースを大きく変えるべきではない」と発言しました。
FRBが発表した12地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米経済は2月半ばから3月末にかけて「緩慢」ないし「緩やかに」拡大したものの、引き続きインフレ圧力が強くないことも明らかにしました。
米エネルギー情報局(EIA)が毎週発表している石油の在庫報告で原油在庫が市場予想よりも小幅な在庫減となり、また、ガソリン在庫が大きく増加していたことを受けて原油相場が急落したことが、NYダウの売り材料となりました。
一部の金融株やヘルスケア関連株、IBMなどの企業決算が弱い材料になったことが、NYダウの売り材料となりました。逆に調査会社トムソン・ロイターの主要企業の純利益が前年同期比で11.1%増と2ケタ増益が見込まれていると発表されたことは買い材料となりました。
ムニューシン財務長官は税制改革を極めて近いうちに提示すると表明し、消えかけていた法人税の減税案の早期実現への期待が高まりました。
混戦が予想されたフランスの大統領選挙の第1回投票が23日に行われました。選挙直前の世論調査では、欧州統合に反対する極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン党首が支持率でリードしていました。開票の結果は、中道・独立系のエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン党首が、決選投票への進出を確実にしました。
最新の世論調査によると5月7日に行われる決選投票ではエマニュエル・マクロン前経済相がマリーヌ・ルペン党首に圧勝する見通しとなったそうです。これらの結果を受けて、NYダウや日経225は大きく上昇しました。
北朝鮮問題などの地政学的リスクへの警戒感は継続しますが、トランプ米大統領が26日に発表する予定となっている税制改革案の内容にマーケットの目線が向き始めています。そこに注目していきましょう。
週間の概況
◆注目イベント
4月26日(水)(仏国)4月消費者信頼感指数
4月27日(木)(日本) 日銀金融政策決定会合(26日〜発表)
4月27日(木)(ユーロ圏)4月経済信頼感指数
4月27日(木)(ユーロ圏)4月消費者信頼感指数・確報値
4月27日(木)(ユーロ圏)欧州中銀金融政策発表
4月27日(木)(独国)4月消費者物価指数・速報値
4月27日(木)(米国)3月卸売在庫
4月27日(木)(米国)3月耐久財受注
4月27日(木)(米国)新規失業保険申請件数
4月27日(木)(米国)3月中古住宅販売保留件数指数
4月28日(金)(日本)3月全国消費者物価指数
4月28日(金)(日本)3月失業率、3月有効求人倍率
4月28日(金)(日本)3月鉱工業生産・速報値
4月28日(金)(英国)4月GfK消費者信頼感指数
4月28日(金)(仏国)1-3月期GDP・速報値
4月28日(金)(英国)1-3月期GDP・速報値
4月28日(金)(ユーロ圏)4月消費者物価指数(HICP)・速報値
4月28日(金)(米国)1-3月期雇用コスト指数
4月28日(金)(加国)2月GDP
4月28日(金)(米国)1-3月期GDP・速報値
4月28日(金)(米国)1-3月期個人消費・速報値
4月28日(金)(米国)1-3月期GDPデフレーター・速報値
4月28日(金)(米国)1-3月期コアPCEデフレーター・速報値
4月28日(金)(米国)4月シカゴ購買部協会景気指数
4月28日(金)(米国)4月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
4月30日(日)(中国)4月中国製造業PMI
4月30日(日)(中国)4月中国非製造業PMI
5月1日(月)(米国)個人所得
5月1日(月)(米国)個人支出
5月1日(月)(米国)PCEコア・デフレータ
5月1日(月)(米国)ISM製造業景況指数
5月2日(火)(豪国)RBA政策金利発表
5月2日(火)(独国)失業率
5月2日(火)(ユーロ圏)製造業PMI
5月2日(火)(英国)製造業PMI
5月2日(火)(ユーロ圏)失業率
※今週は日欧の金融政策に注目です。各国のGDPにも注目していきましょう。特に28日の米国のGDP速報値には注目です。雇用に関する新規失業保険申請件数や住宅関連の動向も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ4
ステージ4は安定下降期となります。帯に傾きが出て間隔が広がってきています。短期移動平均線が上向きとなってきています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ4の安定下降期が終焉するかどうかは、短期移動平均線と帯との関係で決まります。
・上昇トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・短期移動平均線が再度下向きとなれば、下降帯に傾きが出て間隔が広がりトレンドに勢いが出てきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値19,671円 安値18,802円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ3
ステージ3は下降相場の入り口です。中期移動平均線が下向きになってきています。
◆今後を読み取る鍵
中期移動平均線が長期移動平均線を下抜ければステージ4の下降期となります。短期移動平均線が長期移動平均線を上抜ければステージ2へと逆行します。
・上昇トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は中期移動平均線が長期移動平均線を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値21,193ドル 安値20,392ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
先週の「Vトレーダー養成講座」では、勝つためのRR比率と勝率の関係を詳しく記載しました。この「Vトレーダー」という言葉は造語です。私の塾では「勝ち組」という表現ではなく、「目指せVトレーダー」と言っています。
その意味することころは、年間を通じて自分の目標とする利益をコンスタントに達成できるトレーダーであり、極めて明快です。投資資金を何十倍にもしたいといった方法論もない無謀な考え方ではなく、適切な利益目標を設定して、その利益目標をコンスタントに達成できるトレーダーになること。それこそが「Vトレーダー」なのです。
「Vトレーダー」を目指す為には、マーケットで「勝つ」ことが大前提ですが、実は「勝つ」ことよりも「負けない」ことが大切であり、勝率50%でRR比率が1より大きければ「負けない」わけですから、勝ち続けるというのとは違います。
勝率が100%の必勝法でトレードの「聖杯」というものがあれば、これほど楽な商売はないでしょう。しかし、現実には勝率100%のトレード手法は存在しません。それでも、今も昔もトレーダー達は、100%の必勝法という「聖杯」を探すことを続けています。
負け知らずの勝ち続けるトレード手法はありません。まずは、この事実を確りと認識することです。勝率が90%だとしても、10%は負けているのです。ですから、負ける確率に注目してください。この負ける確率を無視して、大きな金額を賭けてしまい、1回の大負けで大事な資産をすべて失ってしまったという事はあり得るのです。
トレードエッジがプラスであれば、基本的には、そのやり方を繰り返す限り、資産は増えていきます。しかし、上記のように無謀な賭け方をしていれば、トレードエッジが瞬く間に打ち消されてしまいます。
では、トレードエッジを確保するにはどうすればよいのでしょうか。それは、次の二つが重要だと思っています。
◎資金管理
◎リスク管理
一つ目の「資金管理」とは、簡単に言えば「破産しないことを前提とした掛け金の調整」です。二つ目の「リスク管理」とは、「ここまでは耐えられる」という限界を理解して、適切なロスカットを設定することです。
この資金管理とリスク管理を確りと行うことにより、トレードエッジの優位性が維持されます。安定的に勝ちたいのであれば、必ずマスターすべき考え方になります。次週からは、その辺りを掘り下げていきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。